マネジメントシステム審査登録制度はどのようなものでしょうか?
マネジメントシステム規格の要求事項に基づいて組織が構築したマネジメントシステムが規格の要求事項に適合しているか審査し、適合していればその組織を登録し、公表する制度です。
マネジメントシステムとは「組織が方針および目標を定め、その目標を達成するためのシステム」のことです。
組織はISO9001(品質マネジメントシステム規格)やISO14001(環境マネジメントシステム規格)に代表されるマネジメントシステム規格の要求事項に基づいてマネジメントシステムを構築し、審査登録機関であるJQAは、組織が構築したマネジメントシステムが規格の要求事項に適合しているか審査し、適合していればその組織を登録し、公表します。この制度がマネジメントシステム審査登録制度と呼ばれています。
マネジメントシステム審査登録制度は「審査登録機関」だけでは成り立ちません。審査登録機関の審査員になるために必要な研修を実施する「審査員研修機関」、審査員の資格を付与する「審査員評価登録機関」、そしてこれらの3つの機関がその業務を行う能力を備えているかをみる「認定機関」があります。
これらがマネジメントシステム審査登録の仕組みになります。
審査はいつごろ申し込めばよいのでしょうか?
審査希望月の4ヵ月前までに審査登録申込書にてお申し込みください。
JQAでは、組織の業種特性を考慮した審査チームを編成しています。審査実施希望月の4ヶ月前までに、各規格の審査登録申込書に必要事項を記入のうえ、提出ください。受付が完了しましたら、お客さまと協議のうえ、審査実施の約1ヶ月前までに日程を設定し、ご連絡します。
審査工数はどのように設定されるのですか?
審査工数は国際的に認知されたIAFのガイドラインをベースに組織ごとに設定しています。
JQAの審査は、業務レベル/プロセスレベル/システムレベルでのPDCAが回っているか、マネジメントシステムが有効に機能しているかについて、組織の実際の業務(プロセス)の流れに沿って確認します。このためJQAでは、IAFのガイドラインをベースに、組織の規模やサイトの数、プロセスの複雑さなどを考慮して、その組織に必要な審査工数を組織ごとに設定しています。
プロセスに基づく審査とはどのようなものですか?
組織が定めたプロセス、すなわち実際の業務の流れに沿った審査です。
ISO9001ではプロセスアプローチが採用されています。これは組織内にある各プロセスの相互関係、インプット、アウトプットを明確にし、運営状況を管理することで、マネジメントシステムの目標である顧客満足の向上を達成しようとするものです。
JQAでは、審査においてもプロセスアプローチによりマネジメントシステムの有効性を効果的に審査できるものと考えています。特にマネジメントシステムのパフォーマンスに関しては、関連するプロセスについて顧客満足の向上を共通のテーマとした審査を行うことで実効性が高まると考えています。
「影響を及ぼすことができる環境側面」とは、どこまでを抽出・評価すればよいですか?
組織の業務プロセスの上流から下流までの環境影響を考慮し特定します。
抽出・評価の範囲は、組織の活動や製品・サービスの内容により変わりますが、組織の業務との関係からライフサイクルの視点を考慮して影響が認められるものについては、対象としておく必要があります。
- 組織が影響を及ぼすことができる環境側面の例示
- 組織が影響の及ぼすことができる環境側面の対象範囲は、組織の裁量範囲であること。(決定に際しては、組織が使用/提供する製品およびサービスの範囲を注視する。)
- 自ら製品の設計および開発に責任を持つ組織は、上図のような環境側面に影響を及ぼすことができる。
登録対象となる組織・部門とはどのようなものですか?
自動車業界サプライチェーンに関わる製造工程のあるサイト(工場)、顧客とのインターフェイスに関わる支援部門が登録対象です。
登録対象は自動車業界サプライチェーンに関わる製造工程のあるサイト(工場)、および顧客とのインターフェイスに関わるすべての支援部門(設計、購買、営業、倉庫、測定器の管理・検査等)になります。IATF16949の認証を取得すると、製造工程があるサイトは登録証に記載され、支援部門は付属書に記載されます。なお、サイトと所在地の異なる支援部門の審査は、サイトのセカンドステージ審査よりも前に実施する必要があります。
IATF16949の登録審査はどのように実施されますか?
IATF16949の登録審査はファーストステージ審査、セカンドステージ審査の2段階審査で行われます。
ファーストステージ審査はセカンドステージ審査への準備状況を審査します。また、「プロセスに基づく内部監査およびマネジメントレビューが効果的に計画され実施されているか」についても確認します。この時点で準備が不十分と判断した場合は、再度、審査申込みからやり直しとなります。セカンドステージ審査は、IATF16949規格およびすべての顧客固有要求事項を合わせた形で、製造サイトおよび支援部門で実施されます。
予備審査は可能ですか?
組織のサイトにおいて、1回の受審が可能です。
セカンドステージ審査工数の80%以内の工数で、組織のサイトにおいて1回受審することができます。ただし、ただし、予備審査は1度のみに限られるおり。また、予備審査を実施した審査員は、登録審査には参加できません。また、予備審査は登録審査の一部ではありません。
ISO9001の登録審査のフローと異なる点はありますか?
改善指摘事項があった場合に100%解決したことを示す証拠と是正処置報告書の提出が必要なことがあげられます。
まずセカンドステージ審査はファーストステージ審査終了日から90日以内に審査を終える必要があります。また、セカンドステージ審査において改善指摘事項が検出された場合、セカンドステージ審査終了日から90日以内に改善指摘事項が100%解決したことを示す証拠とともに、是正処置報告書をJQAに提出する必要があります。